
欲しくて買ったものを使わない不思議
現代社会におけるヒトの行動のほとんどは「誰かが仕掛けた意図に左右されている」
序章にこんなことが書かれています。
わたしたちの脳は、何もかも単独で決められるほど聡明ではなく、以外にも優柔不断であり、勘違いや見落としや思い込みが激しいお調子者だそうです。
この本は、一般の人が身近に感じられる事例がたくさん取り上げられています。
「ブラックマーケティング」と呼ぶ、ときに恐ろしいマーケティングの事例を知ることで「消費者として自分の身を守る」、「ビジネスパーソンとしてより良い未来をつくる」ことが学べます。

簡単に自己紹介
40歳を迎えた2人の息子を持つサラリーマンです。
月に1冊以上の読書をノルマに日々、勉強中してます。
ギャンブルは動物も好き?
こんなことが書かれています。
ギャンブルにハマる要因は、ビギナーズラックによる動機づけだけに留まりません。行動分析学の研究では「動物は本能的にギャンブル好きである」という説すら唱えられているほどです。この説の基礎となったのはアメリカの心理学者、バラス・スキナー博士が行ったハトを使った実験です。
実験では、A、B、二種類の箱を使います。Aの箱は、スイッチを押すと必ずエサが出てきます。Bの箱は、スイッチを押すとときどきエサが出てきます。するとAの箱のハトはエサの欲しいときだけスイッチを押しますが、Bの箱のハトはいつまでもスイッチを押し続けるのです。
このハトの行動は、意図的に仕組まれた環境に脳が適応した結果で、「オペラント条件付け」と呼ばれています。そして、適応のメカニズムはハトの脳もヒトの脳も同じだと考えられます。
「出るか、出ないか、わからない」という状況がドーパミンの動態を変化させ、出るまでやめられなくなるという習性が一定数の個体には備わっているということです。
人間が「パチンコの当たりが出るまでやめられない」そのものじゃないですか。
怖いですね。
過去にパチンコ・パチスロにのめり込んでいた自分がいるので、ゾッとします。
さらにこんなことも書かれていました。
さらに、脳科学の分野ではケンブリッジ大学のウォルフラム・シュルツ教授が、サルに疑似的なギャンブルを体験させる実験を行っています。簡単に記すと、シロップをもらえるという「当たり」の前に、光で「予告」のシグナルを見せる実験です。光の色によって当たりが出る確率が異なり、それを学習したサルの脳内では、シロップそのものだけでなく、当たりの出る確率が高い予告の光にも反応してドーパミンが放出されていたのです。
この実験でも、「出るか、出ないか、わからない」という、一種の”スリル”に脳の報酬系が反応していることがわかります。その反応を利用すれば、オペラント条件付けを”強化”することもできます。
行動心理学の分野で研究された変動強化スケジュールによれば、どんなタイミングでスリル(期待)を感じさせ、どれくらいの確率で報酬(当たり)を与えれば、”病みつき”になるかもわかっています。今のパチンコ台は、当たりの前の予告演出にさまざまな工夫が凝らされていますよね。これはまさに変動強化スケジュールの応用です。計算されたタイミングでリーチがかかり、期待を持続させながらドーパミンの分泌を促し続け、ギャンブラーたちのオペラント行動を操作しているわけです。
ギャンブルに興味のない人は、「勝つか、負けるか」「当たるか、外れるか」という単純な結果でしかギャンブルを見てないかもしれません。しかし、深みにはまったギャンブラーたちにとっては、ギャンブルに興じているプロセスそのものが快楽なのです。その時点で脳がすでにドーパミンに支配されているといえるのです。
ガックシですね。
なんとなくわかっていたこととはいえ、思い通りにコントロールされていたわけです。
研究結果に基づいて、パチンコメーカーは演出を考えていたということですね。
卒業したとはいえ、過去自分に言って聞かせてやりたい。
これは、スマホゲームのガチャにも言えることではないでしょうか。
小学生の子供がいますが、この辺も気をつけないとなと思いました。
本日はここまで、です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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